『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ



「ストーカーに悩んでたんでしょ!?」


ママは心配そうに覗き込んで来る。

今にも泣きそうに…。

毒蜘蛛パックはどこに行ったんだろう。

でもってストーカーって、亘のことだよね?

お姉ちゃんに視線を移すと、ウィンクしてる。

ん?話を合わせろって事?


「あっ……うん。心配かけてごめんね」

「いいのよ、そんな事。とりあえず、弥生と弥生のお友達が助けてくれるそうじゃない!?」

「………へ?」


お姉ちゃんはウンウンと頷いて…


「あっ……うん」


話が良く見えないけど、多分これで良いんだよね?


「毎日ストーキングされるのも可哀想だし。早速、明日から助けてくれるそうだし…」

「…………ん?」

「暫くママは淋しいけど、弥生が一緒にいるから平気よね?」

「ん???」

「じゃあ、ママ。明日の準備もあるし!葵、部屋に行くよ?」


腕を掴まれ2階に連行される私。

部屋に入り、事情を聞くと―――。


「えぇぇぇ!?私が葛城さんのお宅に住むの?」

「そう、潤くんもいるし楓もいるし。私は編集で留守がちだけど、一緒に住むし」

「えぇ~~~ちょっと!!話が急すぎて…」

「ストーカーには早めの対応よ!!」


結局、有無を言わさず…

私は姉・弥生と共に葛城邸に住む事となった。