『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ



俺は隣りの葵に視線を向けると、

予想通り、硬直している。


俺はそっと彼女の手を握った。

ビクッと肩を揺らし、俺を見る。



「葵?」

「………」



ローソクの淡い灯りでは

彼女の表情は分かり辛いが、

握りしめる彼女の手が震えていた。


俺はそんな彼女に微笑んで、



「俺がいる。大丈夫」



彼女を安心させてやれる言葉が見つからない。

俺自身、今すぐこの場から逃げ出したい。

そんな気持ちを押し殺して…。



「潤くん、ありがと」



そう彼女が呟いた瞬間!!


!!!!????


一瞬、何も見えなくなるほどの

眩いスポットライトが

俺と葵を照らし出した。



―――――――来たな……。


パニクり始める葵。

俺は細く長い息を吐いた。



すると―――――、