『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ



すると、弥生さんは…

とんでもない事を告げて来た。


「薄々感付いてると思うけど、今日は食事会じゃないの。まぁ、食事は出るけど…」

「………」


やっぱりな、そんな事だと思ったよ。


「先月にね。楓、星鈴社の最優秀漫画賞を受賞してね…」

「………」


聞いてねぇー。何で黙ってたんだ?

――――怪しい、もしかして……。


「それでね。その作品のモデルが潤くんと葵なの」

「えぇ――っ!?それ、マジですか?!」

「うっ……うん……」

「あぁ~~俺、帰ります」

「えっ?!あっ、それは困るよう」

「俺、絶対嫌ですし、ムリですから!!」

「って言われても、もうすぐ始まるし…」



始まるって言われても、そんな事知るかッ!!

勝手にネタに使うか?普通……。

あっ、姉貴は普通じゃないんだった。

って、そんなことはどうでもいい。

嫌な予感的中だな。

食事会にこんな恰好しねぇだろ。