『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ



 ≪潤side≫

ホテルへ向かう車内で。

さっきの美鈴さんの態度といい、

姉貴が用意した葵の服装といい、

怪しい……かなりの確率で。

待ち合わせのホテルが、

危険地帯だという事がうかがえる。


姉貴は一体、何を企んでいるんだ?

真面な俺の脳内では計り知る事は出来ない。

はぁ~ため息しか出ねぇよ。



ホテルへ到着すると、

ロビーに弥生さんが立っていた。

彼女と共に近づくと、

胡散臭く俺らの恰好を褒め始めた。

すかさず葵が“場違いじゃない?”と訊くと

明らかに動揺している。

やっぱり、弥生さんも1枚噛んでるな。


姉貴はどこかと訊ねると

さらに動揺の色を濃くした。



姉貴との合流までの間、

俺ら3人でラウンジへ行こうと言う。


俺は体調不良を理由に1人で帰ろうとした。



すると―――――、