≪潤side≫
ホテルへ向かう車内で。
さっきの美鈴さんの態度といい、
姉貴が用意した葵の服装といい、
怪しい……かなりの確率で。
待ち合わせのホテルが、
危険地帯だという事がうかがえる。
姉貴は一体、何を企んでいるんだ?
真面な俺の脳内では計り知る事は出来ない。
はぁ~ため息しか出ねぇよ。
ホテルへ到着すると、
ロビーに弥生さんが立っていた。
彼女と共に近づくと、
胡散臭く俺らの恰好を褒め始めた。
すかさず葵が“場違いじゃない?”と訊くと
明らかに動揺している。
やっぱり、弥生さんも1枚噛んでるな。
姉貴はどこかと訊ねると
さらに動揺の色を濃くした。
姉貴との合流までの間、
俺ら3人でラウンジへ行こうと言う。
俺は体調不良を理由に1人で帰ろうとした。
すると―――――、



