苦笑しながら謝っている。
「なんだぁ、そんな事なら早く行ってくれればいいのにぃ~」
「………」
「………」
「そうしたら、ちゃんと前もってお祝いの用意が出来たのになぁ…」
2人に笑顔を向けると、
2人は何故か苦笑して……。
「とりあえず、座ろうか?」
「………そうだな」
2人に連れられ『金澤 葵様』と用意された席に着く。
右隣りはお姉ちゃん、左隣りは潤くんという席で。
心地良い音楽が流れる中、
次々と着席する来賓の人々。
そして―――――、
18時30分。
楓さんの受賞祝賀会が始まった。
会場のメインの照明が落とされ、
間接照明とダウンライト、
そして、各テーブルのローソクの灯りが灯る中。
『只今より、平成**年度 星鈴社 最優秀漫画賞を受賞されました葉月 雫(楓のPN)さんと共に、先日出来上がったばかりの映像をご覧に……――……』
ひな壇脇の司会者席から挨拶が…。



