『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ



苦笑しながら謝っている。


「なんだぁ、そんな事なら早く行ってくれればいいのにぃ~」

「………」

「………」

「そうしたら、ちゃんと前もってお祝いの用意が出来たのになぁ…」


2人に笑顔を向けると、

2人は何故か苦笑して……。


「とりあえず、座ろうか?」

「………そうだな」


2人に連れられ『金澤 葵様』と用意された席に着く。

右隣りはお姉ちゃん、左隣りは潤くんという席で。


心地良い音楽が流れる中、

次々と着席する来賓の人々。


そして―――――、


18時30分。

楓さんの受賞祝賀会が始まった。


会場のメインの照明が落とされ、

間接照明とダウンライト、

そして、各テーブルのローソクの灯りが灯る中。


『只今より、平成**年度 星鈴社 最優秀漫画賞を受賞されました葉月 雫(楓のPN)さんと共に、先日出来上がったばかりの映像をご覧に……――……』


ひな壇脇の司会者席から挨拶が…。