『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ



 ≪葵side≫


温泉旅行の取材から戻って10日。


私……どうかしちゃったみたい。

潤くんを見る度、ドキドキしちゃうし

潤くんが軽く触れるだけで嬉しくなるの。


それに毎朝起きると、

必ず潤くんの腕の中にいて。

私ったら、無意識で抱きついてるみたい。


恥かしくて、恥かしくて…。



なのに、潤くんは嫌な顔一つせず

いつも優しく頭を撫でてくれるの。


もう、嬉しくて嬉しくて…。


起きたてで優しく微笑まれると、

どうしていいのか分からない。


だって、凄くカッコイイんだもん。


ずーっとこのまま…

時間が止まればいいのに。

そう、思う自分がいる。



私、潤くんの事が……好きみたい。


多分、結構前から好きだったと思う。


亘から私を守ってくれたり、

完全な押しかけで、

潤くんの部屋に居座ってるのに

嫌な顔一つしない潤くんの優しさに

いつの間にか……惹かれてたんだと思う。