『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ



彼女は困惑した表情を浮かべ



「ご、ごめんなさい……気を付けます」



そう言い残して部屋を後にした。



彼女が去ったベッドには

彼女の匂い香が仄かに香っていた。



暫く余韻に浸っていると…



―――――カチャッ。


ドアの開く音がした。

彼女が戻って来たのだと思い、

寝たふりをしていると。



!!!!!!!


「ッ!?ちょっ……何すんだよ、姉貴!!」



掛け布団をガバッと剥がされ

ベッド脇に仁王立ちの姉貴が。



「潤、アンタ……葵ちゃ「出してねぇよ!!まだ…」

「………」

「マジだって!!まだ、何にもしてねぇよ」



姉貴は疑いの眼差しを向ける。

“キス”はしたが、無理やりじゃねぇよな。

軽いキスはしたうちに入らねぇだろ。



「ホント?」

「あぁ」

「じゃあ、1つ訊くけど……好きなの?」

「………」