短編集




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あれから半年。



「また思い出しちゃった」

ははっ、って乾いた笑いと一緒にあの日からの口癖をこぼす。



そして自分の席から放課後のグラウンドを眺めるのもあの日からの日課。



――彼がサッカー部だったから。


こんなにもまだあなたを忘れられない私は相当重い女。




「はやく忘れなきゃな…」





「じゃあ俺にしなよ」




私は驚いて声がした扉の方を見た。