短編集




「彼女出来たんだ」


初めて"彼女"なんて言葉をつかったのに、なにも感じなかった。


それよりも



「おめでとう」


そう言った鈴木の表情が気になった。




「鈴木…俺」


「あっそうだ私ちょっと忘れ物しちゃったから…」



正直何を言おうとしたのか自分でも分からない。

でもそんな俺の言葉を遮るように喋った鈴木はそのまま走って行った。