そんな空気をばっと切り替えてしまう聡江。
「あの2人ホンマに何も無いん?
面白いこと。」
もちろん聡江の『面白いこと』は
恋バナのネタだ。
「去年1年、見てきたけどあんまりないかなぁ…
恋っていうか…
『仲良しさん』って感じかな♪」
聡江がはぁ?という顔になる。
「ね?ヤマト。」
女子ばかりで居心地悪くしていた山本に
恵水がにっこり微笑んでいう。
「はぁ?俺は知らね…」
山本のつま先を笑顔のままギュゥッと踏む。
「いてっ!!
あぁー…ソーダナ ナカヨシダァ。」
不自然な棒読みを気にする人はいない。
恵水が山本のつま先を踏んでいるのに
気づく人もいない。
