「えみちゃん!」


「んー・・・あと少し・・・」


「いやもう7時!」


その声でがばっと起き上がり時計を見ると、確かに7時。


「た、巧起こして来なきゃっ!ありがと桐!」


「それがさ」


弟の桐が恐ろしいものでも見たかのように、身を震わせた。


「たくちゃん、起きてる」


「はあ?」


「もう来てる」


あたしは思わずぽかーんとしてしまった。


「今日、雪降るんじゃないの・・・?」


「ふらねーよ、夏なのに」


現れたのは渦中の人物・巧。


「たくちゃん、今日は起きれたの?」


桐が巧に駆け寄って抱き着く。


桐は小さい頃から巧を兄のように慕って、甘えていた。


「たくちゃんはヤメロ、恥ずかしい」


そう言いつつ、巧は桐を抱き留めた。