「何があっても、桜の傍にいてね」


差し出された小指は繋がれた。


自信ありげな笑みと共に。


「嫌って言われてもやる」


小指は解かれ、約束が交わされた。


大嫌いな龍との、最初で最後の【約束】。


今も、こんなにしっかり覚えていたよ?


あたしだけじゃなくて、龍も覚えてたんだよね。


どうして、守ってくれないの?


たったひとつの約束を。


そして、あたしはどうして何もしてあげられないんだろう。


大切な親友のために。


何も出来ない自分がもどかしくて、苦しい。


…でも、1番苦しいのはきっと。