「〜っとにかく!あたしは桜が大事だよ」


今まで、こんなに大切にしたいって思える友達なんて、いなかった。


「だから…」


だから。


「絶対、大切にしてあげて」


上手く伝わらないだろうな、って思ったけど。


龍は予想に反して、分かったというように静かに頷いた。


あたしが龍を嫌いなもうひとつの理由。


あたし以上に桜が好きな人は龍で、あたし以上に桜を好きなのは龍だから。


そういう面では、信用できるヤツだったから。


すっと小指を差し出した。


「約束」