「・・・っ」
頭の整理が追いつかない。
どういうことか、なんて野暮な質問だ。
でもどこかで冷静になっている自分がいた。
巧だって今まで色んな人と付き合ってきたんだから、そういう経験もあると思う。
そこをとやかく言う気はさらさらなかった。
・・・あたしは全部巧が初めてだけど。
「雪宮くん・・・どういうこと?」
桜の声が震えていた。
「桜」
龍が桜の肩に手をかける。
「離して龍!」
大声で桜が叫び、クラスがしん・・・と静まった。
「意味わかんないんだけど。あたしはいいけど、えみちい何も知らないんだよ!?」
「龍」
龍が桜を強く呼ぶ。
「何よ、龍だって知らなかったでしょ!」
「知ってたよ」

