Marius−マリウス−前編

 二人はしばらく無言で歩いていたが、先にタイエンテが口を開いた。
「やっぱり、ここで俺達に出来る事は無いのかもしれないな…」
「…」
「ツービオが言ってた通り、病院は既に人で溢れていたし、俺は病人を病院へ連れて行く事さえ出来なかった…」
「…タイエンテ」
「ん?」
「…俺達に出来る事は、命を懸けて、地球に行く事かもしれないな」