Marius−マリウス−前編

「しかし、地球にマリウスの人類全てを移住させるのは、今のマリウスの技術では不可能」
一瞬にして、若い者たちから笑顔が消えた。ケンペクトはそのまま話を続けた。
「マリウスと共に最期の時を皆で過ごすべきかもしれない」
「…」
「だが、マリウスの王家、そして城に仕える者としての使命として、マリウスで我々が生きてきた証が残せるのなら、その可能性に賭ける事に決断した」