Marius−マリウス−前編

バンデントも笑顔で大きくうなづきかえしてから、ニシキアスに向き直った。
「父上。返事が遅くなりましたが、僕も覚悟が出来ました。マリウスの王子として恥じぬよう、全力を尽くします」
「そうか。よく申したバンデント。ならば、二人共、王の間に行っておきなさい。私もすぐに行く」
「はいっ!」
ケンヴンダーとバンデントは立ち上がり、一礼すると、部屋を出た。