Marius−マリウス−前編

 城の一角、王の居住地の王の部屋で、ニシキアスは窓から凍てつく空を見上げていた。ドアがノックされる音がし、妻で王妃のクレーティルが入って来た。
「あなた、二人を連れて参りました」
クレーティルの後ろから、ケンヴンダーとバンデントが入って来た。三人の方を振り返り、ニシキアスは優しい口調で話し掛けた。
「ケンヴンダー、バンデント、体調を壊したりはしていないか?」