「お兄ちゃん」
翌朝の早朝、出掛ける準備をしているタイエンテの部屋にロザリナが入って来た。
「どうした?」
タイエンテは手を止めてロザリナを見た。
「…本当に行くのね」
「ああ。昨日話したろ。これは名誉な任務だ。行かないわけにはいかない」
「…わかってる」
「父さんと母さんを頼むな、ロザリナ」
「…はい」
元気のないロザリナの肩をタイエンテが両手で掴んで、優しく話しかけた。