「…」
「そして今のお前の使命は、全身全霊をかけてマリウスの未来を繋ぐ事だ。お前なら出来る。なんせ俺が鍛えてやったんだからな」
「…」
ゴーシンは、ガタッと立ち上がった。
「帰るか?」
と、トニーセンは、ゴーシンの肩から手を離し、グラスに口を付けた。
ゴーシンは、座っていた椅子の後ろに立つと、トニーセンに深々と頭を下げた。
「…ありがとうございました」
トニーセンは、ゴーシンを見ることなく、
「誇り高きマリウスの戦士に乾杯」
と、グラスを少し持ち上げた。
ゴーシンは、背筋を伸ばし、颯爽とバーを後にした。