Marius−マリウス−前編

「どういう意味ですか?」
「この川の辺は『気』がよく通る場所だからな。お前の発する気を受けてくれる者が現れやすいと考えたのだろ」
「…」
「ま、それで、俺がお前を見つけたんだけどな」
「…」
「今まで、お前に、言った事がなかったが、あの日、お前をこの手に抱いた時、安堵するお前の両親の気配を感じたよ」
「え?」
「多分、見ていたんだろうな。あの、茂みの奥から」
アツオラは対岸の枯れた草村を指差した。