「ただいま……」

私は藤宮 玖瑠愛(ふじみや くるあ)。
今さっき家に帰ってきたばかり。

私は双子で上に姉がおり、これでも一応妹だ。
なぜ一応のつく妹かと言うと………

「く・る・ちゃ~~~ん♡」

一応妹の姉つまり一応姉の雅(みやび)が抱きついてきた。

「姉さん………苦しい」

「もう、どこに行ってたんだよぅ!お姉ちゃん寂しかったぞ~~♪」

…………とこのように私のほうが姉に見えるからだ。
と言っても双子だから同い年なんだけど、一応姉としての威厳は持って欲しい。

「で、どこで何をしてたの?」

こういうところは抜かりがない。
姉さんは心配性すぎるほどの心配性だ。
この心配性は姉さんの唯一、姉らしいところである。

「まず裏通りでセクハラをした男の指の爪を全部剥がす。帰り道、私の悪口を言っていた二人の女を半殺し………以上」

私のモットーは倍返し。
優しくしてくれる人には倍の優しさを、私を傷つけようとした奴には倍の傷をお返してやるのが私。
今回は計三人だったのだけれど………

「悪口?………私の可愛い可愛いくるちゃんに?」

………姉さんの悪いところだ。
心配性すぎて過保護になることだ。
今の姉さんならあの二人を殺し………生き殺しかねない。

そんな姉さんを止める効果的なのは、私も好きな幕末……詳しく言うと姉さんの場合は攘夷志士だ。
もちろん私は新撰組。

私が新撰組のことが好きなように、姉さんは攘夷志士のことが好きなのだ。