藤岡遥貴、高校二年生16歳


「やっぱこの制服は浮きますよね」


新しい制服が間に合わなかったんだ


男子は学ラン
女子はセーラーの
この校舎で
一人だけブレザー




なんという孤独感!


「まぁ少しの辛抱だよ!」


「はぁ...そうですね」

「藤岡..緊張してるかい?」


白髪混じりの中年男性教師

石竹...

あなた以前どこかでお会いしませんでしたか?


と聞いてしまいそうな、テンプレ教師

「ちょっとだけ..あ、これからよろしくお願いします」


「こっちこそよろしくお願いします!あんま緊張しなくていいぞ!リラックス」



リラッークス

そういいながら石竹は俺の肩を軽く叩いた

当たり前かもしれないが、こんな中年男にリラックスと言われながら肩を叩かれても緊張は解けない


「じゃそろそろHRはじまるから一緒に教室に行こうか」


石竹が学級日誌やらプリントやら持って
職員室を出る


どこになんの教室があるか分からない俺は石竹についていく


今から始まるのか


緊張のなかにもこれからの学校生活の期待に胸が踊っていて

ジェットコースターに乗るような心境だった