日曜日。


ふたたび、ほたるは渋谷センター街のはずれにあるカフェにいた。


前回同様、キャップを目深にかぶり、サングラスとマスクで顔を覆っている。


もちろん、氷室とかすみのデートを尾行するためだった。


前との違いは単独行動という点だ。


あまりの怪しい行動に、智香には断られてしまった。


無理もない。


「お客様、お待たせしました。
アイスカフェモカでございます」


店員の顔は前回以上に引きつっていた。


数メートル先では氷室とかすみが、料理がのった皿を楽しげに囲んでいる。