パーフェクトティーチャー

「わかってあげてくださいよ。
教師だって人間ですから、女生徒にキャーキャー言われれば嬉しいわけですよ。
それと生徒に手を出すことはまた別問題ですよー」


「そういうものかしらね・・・」


「ええ。
逆を考えてみてください。
女教師が男子校に赴任したとしますよ。
ジャニーズのような美男子生徒たちに囲まれて、毎日毎日チヤホヤされれば、気分はそれなりにいいはずでしょう?」


里中の目じりがだらしなく下がる。


「確かにいえるわね。
そういうことか・・・」


「たとえばこの前のバレンタインデーなんて、氷室先生のチョコは段ボール3箱分なのに対してですね、他の教師はゼロ。
かたやダンボール3個、かたやゼロですよ。
現実は厳しすぎますよ。
それじゃあ他の先生連中はやる気なんて起きませんよ。
起きるわけがない」