パーフェクトティーチャー

イーゼルにのった描きかけの絵が目に入った。


山上の作品に違いない。


彼の絵を何度か見たことがある。


そのとき見たものとタッチが似ている。


人物絵だった。


こちらを向いてニコニコ笑っている。


丁寧な筆遣い、繊細な色遣いからは作者のモデルに対する愛情が滲み出ていた。


そのモデルは・・・


やはり、氷室だった。


その瞬間、ほたるがコーヒーを鼻から吹き出したのは言うまでもない。


やっぱり、山上先生は氷室先生のことが好きなんだ。


ハンカチを鼻にあて、そう確信する。