パーフェクトティーチャー

どうにか感情を心の奥にしまいこみ、話題を切り出した。


「最近私ったら、ピカソを素晴らしいと感じるようになったんです。
私なんかがいうのもなんですけど、斬新で独創的でこれぞ芸術!と感心しちゃうんですよね・・・
でも、その良さを人にうまく伝えることができなくて困ってるんですよー。
山上先生ならピカサの魅力を語るにふさわしい言葉をお持ちかなぁと思いまして・・・」


もちろん本気でそう思ってるわけじゃなく、取っ掛かりに過ぎない。


しかし、山上は満足そうに相槌を繰り返す。


「うれしいですねー。
立ち話もなんだから中に入ってゆっくり語らいましょう」


山上はそう促し、イスに座るようにすすめた。


「月越くんもやっとボクらに追いついたというわけですね・・・」


山上はイスに座らず、室内を行ったり来たりしながら20分以上にも渡って持論を展開した。


残念ながらほたるは半分・・・いた、十分の一も理解できなかった。


よって、山上の演説はここでは割愛する。