夏休みも最後の週を残すのみとなった頃、俺は龍也のメールで呼び出され、久しぶりに生徒会室を訪れた。

龍也のヤツ、俺のおかげで聖良ちゃんとうまくいって、あれから毎日のように生徒会室で、なにやら手伝わせているらしい。

一緒にいたい気持ちは分かるけど、龍也があそこまで変わるとは思わなかった。

今までの女嫌いがまるで嘘のように、毎日彼女に会う理由を作っているようだ。

別に生徒会の仕事をしなくても、せっかくの夏休みなのだから、プールに行くなり何なり、デートらしいことでもすれば良いのに、あいつはそれをしようとしない。

ああ見えても、とんでもなく不器用で、外見からは想像もつかないが意外と奥手なところがある。