夏色の輝石。~最後の夏、君に輝け~

「おい、翔太!」


拓矢が翔太を部室裏に呼びつける。

つけるつもりなんか、なかった。…はずなのに。


「お前のせいで、今日の練習最悪だ。」

「…は?」

「なんで、お前がそんな顔してんだよ。」

「何が言いたいんだ。」


拓矢は明らかに怒っていた。


「……キャプテン失格だな。」

「はっ?」

翔太が拓矢に飛びかかる。

「あんな顔すんな。部活の雰囲気悪くなる。」

翔太は拓矢の胸ぐらを掴んだまま、離さない。


「俺が笑えば、皆笑うのかよ。」

「部活の雰囲気は、お前にかかってんだよ!」

拓矢の言葉は正しかった。
私が昔習ってたバレエでも同じだった。


先生、リーダー。二人を中心にレッスンをしていたけど、
二人とも、まったく笑わない。……せいぜい人を指さして笑うこと。

「あの子……クスッ」

いつもこんな感じで、正直辛かった。
結局、先生が変わり、平凡なレッスンに戻ると、皆にも笑顔が戻った。




キャプテンと先生は比べる人が違うかもしれない。
だけど、共通点は必ずある。

上の人が空気を乱しちゃ、終わりだ。



終わりなんだよ……翔太。