夏色の輝石。~最後の夏、君に輝け~

今日は長距離。
冬になるといつもこの種目。

「よーい、スタートッ」

先生の合図により皆が走り出す。


だんだん息が荒れていく。
冬なのにじわじわと汗が伝っていく。


「遥香、遅いぞっ」

ゆっくり走っている私に嫌みったらしく言葉を投げかける翔太。


「うるさいっ」

そりゃ、翔太は野球部だもん。
こんなくらいへっちゃらでしょ!バーカ!

「あと一周!」

あー、もう無理だよ…



「はぁ…はぁ…」



「岡崎、12分36秒!」


寒いなかの暑さ。
長距離なんて、誰が考えたのよ!


「遅っせーよ!」

「翔太は何分だったの?」

得意気に微笑む翔太。

「9分25秒ー」

「むかつく。」


たまに憎たらしい事を言ってくる。
自分の得意なこととなると、いつもこう。