「……野球は、もう出来ないの?」
「…それは、あいつ次第だ。」
それって、どういう意味?
野球生命をたたれた訳じゃ……ないの?
「あいつがやりたいって言えば、出来る。」
だけど…
翔太は付け足すように言った。
「……一度壊れた夢は修復するのが難しいはずだ。」
「………私が………何とかする」
馬鹿な事言った。
そんなこと、分かってる。
けど、野球部も翔太も……助けたい。
「馬鹿言うな。あいつはもう、変えられない。」
翔太だって、心のどこかでは、彼の復帰を願ってるんでしょ。
だったら、彼を変えてみせなきゃ。
私が必ず、彼を呼び戻す。
「……名前は?」
…ー上原絢斗、だよ。
初めて聞いた、彼の名前。
同学年なのに、初めて聞いたなんて…
「あいつ、先週から学校に復帰したんだ。」

