夏色の輝石。~最後の夏、君に輝け~


翔太の話はこうだった。


甲子園が終わり、その後の練習試合で彼は怪我を負った。


前半戦、彼の活躍でかなりのリードをしていた。




…そんな中、悪夢が襲った。


ドンッ……

鈍い音がグラウンドいっぱいに鳴り響く。

「絢斗!!!!」


相手ピッチャーが投げた玉が、上原の頭に直撃した。


……でもそれは意図的なものだった。
上原のリードに腹が立ち、意図的に頭を狙った。




グラウンドに倒れこみ、大量の血を流して彼は起きなかった。



その後、病院に運ばれたものの、彼の怪我は重傷だった。



野球なんて、もちろん出来る訳もなく…

それ以来、彼の明るかった性格は、もう戻ることはなかった。
心を閉ざし、心は氷のように冷たくなり、あの頃の彼は、もういない。