夏色の輝石。~最後の夏、君に輝け~



放課後のミーティング。

「来週末は練習試合だ。気を引きしめていくように。」

「「はい!」」

皆が散らばり、練習が始まる。

「遥香、ちょっといいか?」

部室に呼び出され、ベンチに腰を掛ける。




しばらくの沈黙が続き、ようやく翔太が口を開いた。

「…遥香、このままじゃ、野球部は無理だ。」



翔太は真剣で、かつ、不安な顔をして言った。


「無理って…」

「廃部知らせを渡されたんだ…」

ポケットからぐちゃぐちゃに丸めた紙くずが出てきた。
そこには、しっかりと書かれていた。

野球部廃部のお知らせ。と。


「……これ。」

「どうすりゃいいんだ。」

目に涙を浮かべ、それか頬を伝っていく翔太の姿を見ると、胸が締め付けられた。

「それ、皆に言った?」

「いや。」


…助けたい。翔太も野球部も。


「あいつさえいれば…」