「うちに入ってくる新人くん、イケメンらしいよ〜?
あー、村瀬かわいそっ!」


福本先輩の趣味
それはあたしをネタにして優をからかうこと。
反応が面白いらしい。


『あんまりいじめないでくださいよ〜?
意外に傷つきやすいんですから。』

「あいつMだしいいだろ?」

『そっか。』

「え!!納得しちゃうんだ(笑)」


福本先輩が笑う。

優は友達とかの前だとみんなを引っ張ったり、先頭に立つことが多いけど、ふたりきりだとすごく甘える。

あたしにしか見せない、そんなところが可愛い。



しばらくして、部長が入ってきた。
みんなが一斉にドアを見つめる。

「なんだ、みんなして。
そんなに俺が待ち遠しかったか?」


みんな何も言わない。
毎年こうだ。
最年長の部長に対してすごく失礼だけど、うちの部署は仲がいいからいつもこんな感じ。


「なんか言えよ・・・」

咳払いをして、部長がドアを開けた。

「おーし、入れ〜」


入ってきた新人くんは、福本先輩の言う通りイケメンだった。

「か、可愛い〜!」

企画部の姐さんこと、富田さんが口に手を当てて言った。