手探りのふたり



霧藤さーん?ご存知ですか?


なんか普通にカレカノっぽい感じですけど


まだ出会って数時間
付き合い始めて数十分なのですよあたし達。




展開早くねーか??


などと己と格闘しても




『やだ?』


こんな至近距離に霧藤先輩の顔があったら…





『嫌じゃ、ない…』


恥ずかしい事サラっと言っちゃうじゃんかぁーー!!!








『じゃあ、呼んでよ。』

『え、今…?』

『呼んで、小夏。』



よ、呼び捨てされてしまった…

恥ずかしいが、こうなったら勢いだ、勢い!!



『………稜っ!』

『よくできました』

そう言って稜はあたしの頭をくしゃくしゃに撫でた。