手探りのふたり



なんでって…好きだからだろ?

霧藤先輩の側にいたくて。
一番近くにいる女の子になりたくて。



あたしはきっと、凄く困った顔をしていたんだろう。


霧藤先輩が口を開いた。




『だってさ。俺はずっと小夏ちゃんを見てたけど、小夏ちゃんは言ってみれば初対面の人と付き合う訳だろ?』


確かにそうだ。
あたしはガードは固いはず。


そのあたしが出会って数時間で告白って…我ながら凄い珍事だ。




なんでこんな急に霧藤先輩の近くにいたいと思ったんだ?



自分に問い掛ければ、すぐに出てきた答え。