手探りのふたり



気づくと、あたしはそう口走っていた。



『や、違うの!今のは、えっと、その、気にしないで…』




霧藤先輩はあたしの手を取った。
そして、ゆっくり柔らかくあたしの指に自分の指を絡ませた。



『あのさ。何度もいうけど。小夏ちゃんは可愛いから。
優しい子だって、俺はちゃんと知ってるから。』







『…っ////』

自分の顔が赤いのがわかる。
は、恥ずかしい…。



でも。




『…しばらくそのままでいて…』





嬉しかった。
自分の中の冷たい傷が、あたたかくなるのを感じた。






あたしに足りないものをくれる。あたしなんかを『可愛い』っていって包んでくれる。





あたしは…あなたが好きかもしれない。

好きでいたい。