手探りのふたり



『きゃゃぁぁあああっ』

佳凜の興奮度がMAXだ。



『む、む、霧藤先輩だあ!ホンモノ……!!』




暴れる佳凜をスルーし、
霧藤先輩はあたしに近づいて来る。





そしてあたしのおでこに手を当てて

『大丈夫か?』





『だ、大丈夫ですっ。保健室まで運んで下さったんですよね?ありがとうござい…』


『敬語ヤダ。』






『はっ?』






『小夏ちゃんが俺に対して敬語使うのがヤダって言ってんの』




…そんなウルウル目で言うなよ…





『わ、分かった…。てか何であたしの名前…?』




『入学式』