手探りのふたり




『っくくく……ごめんね?
かわいい寝顔だったのに
起きたら台風みたいに叫び
だすから、笑えちゃった。』





『意味がわからん。あたしはかわいくなければ台風でもない。』




まったく。朝は佳凜で昼はイケメンに褒めたたえられる。
今日はどんな日だ。




『いやいや……え、何。ほんとに気づいてないの?』




『何にだ。』




『自分が凄く魅力的な女の子だってことに。』







『……はぁ?魅力的?』



この男は何を言い出すんだ?




『うん。凄くかわいい。顔ももちろんだけど…』


男は、いきなりあたしの腕をひいた。
当然あたしはバランスを崩す。




『うわぁっ』


どどどどどうしよう!!
男に抱きしめられてる感じになってしまった!!!


男に免疫なんて微塵もないあたし。
自分で顔が真っ赤になるのが分かる。






『そーゆう反応。可愛すぎ。』