「囚われ姫~星屑は魅惑の花の香に抱かれて~」

あたしの口をついて出たありがとうに、あたし以上に驚きの顔を見せた誠。
それでも次に唇に乗せられるのは“ごめん”で。




「誠くんの気持ちは嬉しいよ。やっぱりたけちゃんと付き合ってた頃から、あたしを護ってくれてたナイトは誠くんだなぁって」




誠の目が驚きに見開く。
何を言っているんだ?ーそんな諦めの入った誠の表情に、ふとたけちゃんが生きているような感覚に囚われる。




「でもね。どんなに優しくしてくれても、護ってくれても、あたしは誠くんを選べない。誠くんの暖かい手を取れない。だってあたし、追いかけてきてくれたヤクザを愛してるし、あの人に愛されたいから」