帝が来てから一週間。
まだ心臓がドクドクッ…と激しくなっている理由が分からない。
「優妃様は高校生ですよね?なんで高校に行かないんですか?」
「私は高校の内容は中学で卒業したから。だから行かなくていいの」
「そうなんですか?すごいですねっ!」
「そう?
けど高校に行かなくったって…私に休みなんてないから…」
「どういう意味です?」
「ううん、なんでもないよ!じゃあ私これからピアノだから、行ってくるね」
「あの…!」
なんであんなこと言っちゃったんだろう。
帝の言葉を遮ってきてしまった
毎日ぎっしりつまってる予定。
今日だってさっき書道から帰ってきたばかりなのにすぐにピアノのレッスンだ。
…全部両親が小さい頃から私にやらせていること。
もうなれた。
「優妃様行ってらっしゃいませ」
ドアを開けられて車から出る。
真っ黒いリムジンはかなり目立っているようで、辺りに若干人が。
「はぁ〜…」
執事に聞こえないようにため息をつく。
見上げた空は雲ひとつない嫌みったらしい快晴だった