「じゃあ私は失礼しますね」
「ありがと、柳沢」
お礼を言えばどこかへ行ってしまった。
変な沈黙が私たちを包む
鼓動は今もまだ早いまんまで、帝に聞こえてしまうんじゃないかと思ってしまう
「帝はなんでここにきたの??」
「それは優妃様にお仕えしたかったからです」
「え…?」
「私…優妃様と会ったのは初めてじゃないんですよ?」
「嘘…私、帝と会ったのは初めてな気が…」
「違いますよ。
私たちは二年前に会ってるんです」
「二年前…?」
二年前…二年前…あっ!!
思い出した!!
「道端にいた男の子!!」
「そうです。私はあの日優妃様に助けられたんです
だからどうしてもお礼がしたくて…執事として優妃様にお礼を言いにきました」
あの日の男の子が帝だったなんて…
確かに言われれば納得できる。
けど…少し顔つきが男っぽくなったかな?
「ありがと、帝」
笑えば帝も笑ってくれる。
引きつった顔じゃなくて
それが新鮮で嬉しくてたまらない。
