「優妃、今日はあなた専属の執事がくるから」
「はーい」
お母さんが出ていって閉まられ玄関のドアを寂しく眺める。
いつも私がいるときはお母さんは仕事に出かけていない。
私の両親は世界的にも有名な柏木財閥の社長。
だからお金に不自由などはしてなかった
…けど日々募っていく孤独感は消えない
「どんな人なのかな…」
毎日、違う人に面倒を見てもらっていた。
そんなの嫌だった。
私が一生懸命話しても適当に流されるだけ。
たまにいる明るい人がいても次の日となればまた変わっている。
それに耐えられなくなった私はお母さんに言って今日からやっと1人の専属執事がやってくることに…
「優妃様、紹介しますね。こちら今日から優妃様の専属執事の帝です」
「今日からお願いしますね…優妃様」
お母さんが出かけてすぐやってきた執事の帝。
にこっ…と笑いかけてくれた笑顔に胸の鼓動が早くなる。
か…かっこいい!
「よろしくね、帝」
私もお返しと言わんばかりに笑顔を見せる。
初っぱなから呼び捨てなのは当たり前。
執事はみんな呼び捨てじゃなきゃいけないというルールがあったから。
