俺様でヤキモチな彼氏様

「龍、愛華ちゃん来てるぞ。」



雄太が指差す先には愛華がいた。



えっ、愛華って誰かって?



俺の大切な奴。



あっ、好きなやつとかじゃないから。



俺が好きなのは結だけだし。



愛華は俺の妹。



まぁ、大切な家族だな。



「りゅう~!」



愛華は俺のことを龍って呼ぶ。



何でも呼びやすいらしく、そうなった。



「愛華、お前どうした?」



愛華は俺の一個下の学年。



高校1年生だ。



まぁまぁ、モテるらしい。



結にはかなわないけど。



「龍、お弁当忘れていったでしょ。」



弁当箱を押し付けられる。



「あ?俺いらねぇって言っただろ。」



「でも、作ちゃったんだもん。」



母親は海外の仕事に行ってていない。



親父が飯を作れるわけがなく、飯はいつも愛華が作っている。



「残さず食べてね!」



そういい逃げするように走っていってしまった。



「龍、愛用弁当だな!」



ニコニコ笑顔の雄太が言う。



「₋₋₋お前にやるよ。」



「いらねぇ、俺には真菜の弁当があるから!」



わざと見せびらかしてくる雄太。



うぜぇ₋₋₋。



そーいや、最近結の手作り弁当食ってねぇな。



食いてぇなぁ。