なのに、表情は浮かない。

その表情を読み取ったかのように。

「あれ?」

「外、雨降ってる!」

「やべぇ!俺、傘持ってきてねぇよ!」

生徒達が窓の外を見ながら口々に言う。

「あ…いっけない…」

小さく溜息をつきながら、優は呟いた。

「つい『能力』が表に出ちゃった…」