まぁそんなやり取りもあった、翌日。

「おはよう」

「おはようございます」

「おはようだぴょん」

けしからん娘が、リヴリアが、バイオリン妹が登校してくる1年の教室。

「おはよう」

善も静かに入室し、愛刀・菩薩を肩に担いだまま席に着く。

「今朝は憑き物がおちたような顔をしていますね、善君」

リヴリアが抑揚のない声で言う。

「おお、リヴリア殿…やっと宗主の許可が下りたのでな…これで俺も夏休みとやらを頂ける」

余程安心したのか、普段はあまり見せない柔らかい笑みを浮かべる善。

「夏休みするのに侍先生の許可が要るなんて…」

苦笑いするけしからん娘に。

「そういえば、お前に伝言を預かっているぞ、けしからん娘殿」

善は至極真面目な顔で言う。

「『牛め』だそうだ」

「そんな伝言律儀に伝えなくていいからっっっ!」