ともあれ、最大の障害である旦那のお許しも出た。

夕城 善、晴れて夏休みの満喫を許されたのである。

夕城の男子は、夏休みの取得にまで命を懸けなければならない。

理事長は夕城の家系では生き延びられません。

「ああは言ってるけど、すーは善さんには期待してるんですよ?」

ニッコリ微笑む奥方。

「ああは言ってるけど、旦那は善さんを本気で沈めるつもりだったのです、はい」

ガクプル震える箱。

どちらも旦那をよく知る人物だけに、言葉に重みと真実味がある。