お花っ子も無事優秀な成績をおさめたようだ。

「あとは夏休みを待つばかりだねぇ、お花っ子ちゃん」

キャッキャと喜ぶ遊里とお花っ子の傍らで。

「あ…あ…危なかった…」

鴉丸 鷹雅(からすま おうが)は頭部のデリケートゾーンにジワリと汗をかいていた。

学年平均こそやや下回ったものの、何とか赤点は取らずに済んだ鷹雅。

しかし。

(バイオリン男子めぇ…『テストなんて気軽に受ければいいんだよ、ただの腕試しだから』だとぉ…?)

グッと拳を握り締める鷹雅。

(悪い点を取ったら夏休みとかいう長期休暇返上になるらしいじゃねぇか!てめぇ俺を陥れるつもりかっっ!)