それは、夏の始まりに遡る。

天神学園ではない、とある研究所。

「防水加工は施してはおいたが…流石に鉄砲水に飲まれたのはまずかったか…ウォーロイドっつっても、戦場に投入する為のロボットじゃないからなぁ…」

ウォーロイドメンテナンス担当の技師の独り言に。

「私はロボットではありません」

「うおっ?」

メンテナンスベッドの上で反論するリヴリア。

ボディ内の配線関係がショートしているのか、手足は現在動かせない。

「おとなしくしてろよ?すぐに配線繋ぎ直してやるからな」

「優しくしてね」

「お前はそういう事をどこで覚えてくるんだ?」

「スペシャルハレンチ」

「余計な知識を覚えさせないで欲しいな…メモリの容量だって限度があるんだから」

「私はロボットではありません」

「わかったわかった、飲み物でも飲みながらメンテナンスを待ってろ。何飲みたい?」

「オイルを。プレミアムですよ?」

「…………」