幻月幻夢

(また・・・その表情。)


「・・・行くぞ。」


紫刹は、私の髪から手を離すと背を向け歩き始める。


私は、その後について行った。


「桜花様。」


門の前に行くと人の姿をした鳥勾が立っていた。


「鳥勾も一緒に行くのね。でも何で人の姿に?」


「村に行くからです。あの格好だと民が驚きますから。」


「人がいるの?」


昨日、城から外を見たとき獣しかいないから人はいないと思っていた。


「はい、いますよ。少し向こうの人間とは姿が異なりますが。」


「違うの?」


「行けばわかるだろう。行くぞ。」


紫刹はそう言ってスタスタと行ってしまう。